虫刺され(虫刺症)およびストロフルス(丘疹状蕁麻疹)

【虫刺されとは】
虫刺されとは一般的に昆虫・ダニに血を吸われたり、咬まれたりすることをさしますが、広くはそれらの体液が付着したりして起こる皮膚炎も含みます。
少し専門的になりますが、皮膚科学的に重要なものは8肢のクモ形類(ダニ、ノミ、クモ、サソリ)と6肢の虫(シラミ、ハエ、蚊、ノミ、トコジラミ、ミツバチ、スズメバチ、アリ、毛虫、カブトムシ)です。
ダニ、蚊が媒介する重要な病気(日本脳炎、デング熱、ジカ熱、マラリア、フィラリア、ライム病、日本紅斑熱、重症熱性血小板減少症候群など)がありますが、ここでは主に蚊とダニによる一般的な反応についてお話しいたします。また、毛虫皮膚炎(毒が性皮膚炎)は別の項でまとめます。
【症状】
虫刺されによる皮膚反応は虫によって注入される刺激反応、あるいは唾液成分に対するアレルギー反応によって起こります。
アレルギー反応はすぐ起こる場合(即時型)もありますし、少し時間が経ってから(遅延型:1〜2日後)起こることもあります。
一般的には刺激反応では痛みや赤みが起こり、アレルギー反応の即時型では痒み、膨隆疹、紅斑(赤み)が起こり数時間で消えていきます。遅延型では紅斑、丘疹、水泡が起こります。
これらの症状は個人差が多く、刺された回数でも異なります。遅延型反応は子どもは大人より大きく腫れて長く続くことが多いです。
【治療】
刺されたことに気が付いたらすぐ水で洗ってください。
そして、軽症では抗ヒスタミン薬の外用薬(軟膏など)で十分ですが、痒みが強い時には抗ヒスタミン薬の飲み薬やステロイドの軟膏を使用します。重症の場合はステロイドの飲み薬を使用することもあります。
【予防】
虫刺されは予防が一番大切です。
①虫除けをつける
②刺されるような場所に行かない
③長袖、長ズボンを履く
などが重要です。
【虫除けスプレー】
デング熱、ジカ熱が問題になったため日本でも虫除けの規格が新しくなりました。今まではDEET(ディート)成分が一般的でしたが、海外でも使用されているイカリジン成分が認可されました。
イカリジンもDEETも従来の3倍の濃度(イカリジン:15%、DEET:30%)に高まりました。
ただし、DEETは2ヶ月未満(日本では6ヶ月未満)には使用できません。また、目、口の近くや乳児の手には塗布しないでください。傷口や炎症部位にもつけないでください。日焼け止めと混ぜることもしないでください。屋内に入ったら石鹸と水で洗い落としてください。また、つける回数は6ヶ月から2歳までは1日1回、2歳以上12歳未満では1日2〜3回となっています。
イカリジンには年齢や使用回数に制限はありません。

イカリジン15%配合 
お肌の虫除けプレシャワーPRO 80ml
(発売元:第日本除虫菊株式会社 キンチョー)

DEET30%配合
医薬品 プレシャワー30EX 80ml
(発売元:第日本除虫菊株式会社 キンチョー)
医薬品 サラテクトEXWミストプレミアム30
(発売元:アース製薬株式会社)

その他にもありますのでお店で相談してください。

【合併症】
① ダニ媒介性感染症
代表的な病気としてはライム病(歌手のアヴリル・ラヴィーンがかかった病気です)、日本紅斑熱、ツツガムシ病、重症熱性血小板減少症候群などがあります。

② 蚊媒介性感染症
日本脳炎、マラリア、デング熱、ジカ熱、黄熱病、フィラリアなどがあります。

③ その他
蜂によるアナフィラキシーは有名です。刺されないようにすること、既往のある方はエピペンを携帯し、刺されたらすぐ自己注射をして医療機関を受診してください。
ごく稀に蚊に刺されるたびに、高熱、リンパ節主張などの全身症状をともあう「蚊アレルギー(蚊刺過敏症)」があります。
慢性活動性EBウイルス感染症を合併し、悪性リンパ腫などを合併することもあり重症です。よくお子さんが蚊に刺されて酷くなるだけで「蚊アレルギー」と言われる方がいますが、そうではありません。

【参考にしたもの】
米国小児科学会編集 最新小児皮膚科疾患ガイド 日本小児医事出版社
小児科臨床増刊号 よくある疾患の診かたー他科からの助言―
日本小児医事出版社
日本旅行学会