IgA血管炎(アレルギー性紫斑病・ヘノッホ・シェーンライン紫斑病)

【IgA血管炎】
従来はヘノッホ・シェーンライン紫斑病とか、アレルギー性紫斑病、アナフィラキトイド紫斑病とも呼ばれていましたが、2012年の学会(Chapel Hill Consensus Conference)でIgA血管炎と言う名前に統一されました。2〜8歳の子どもに多いのが特徴です。男女比は2:1で男児がおおいです。
 原因は不明ですが、IgA免疫複合体が血管に沈着する血管炎です。この病態を反映してIgA血管炎と言う名前に統一されたわけです。
【原因】
原因は不明ですが、30〜50%で溶連菌感染が関係していると言われています。その他にも、マイコプラズマ、水痘、麻しん風しん、アデノウイルスなどの感染症、薬剤のアレルギーなどが原因になることがあります。
【症状】
皮膚症状、関節症状、消化器症状が三大症状です。
① 皮膚症状
 触れることが出来る紫斑や点状出血が足(下腿)やおしりを中心に見られます。時にうで、身体の中心、顔や陰嚢にも認めることがあります。紫斑を認めますが血小板の減少はありません。
② 関節症状
 膝や足の関節などの大きな関節に痛みを認めることが多いです。関節リュウマチと違って変形を残すことはありません。
③ 消化器症状
 腹痛、吐き気、下痢、血便、時に吐血を認めます。皮膚症状と同時期に出現することが多いのですが、腹痛が先行すると紫斑がでるまで診断が出来ないことがあります。
④ その他
全身倦怠感、微熱などの全身状態を認めることもあります。
【診断】
典型的な症状そろえば診断は簡単ですが、皮膚症状だけのことも多く、皮膚症状だけで診断をつけることが多いです。アメリカやヨーロッパの診断基準もありますが、病理学的な検査が必要なので一般的ではないと思います。診断に苦慮した際には必要になります。
 三大徴候が全てそろうことはあまりなく、皮膚症状はほぼ100%、関節症状は70%前後、消化器症状は60〜70%の出現率と言われています。
【合併症】
尿潜血や蛋白尿を認める腎症があります。皮膚症状が出てから1ヶ月以内が多いと言われています。遅れて出現することもあるため6ヶ月くらいまでは尿の検査が必要です。腎症を認めた場合は専門機関での診察が必要になります。
【治療】
通常は自然に治るため安静と対処療法だけになります。溶連菌の感染症があれば抗生剤を飲んで頂きます。
 痛みなどの関節症状にはカロナールなどの痛み止めを使います。
 腹痛などの消化器症状に対してはステロイド(1〜2mg/kg/日)を短期間(数日〜数週間)使用します。
 勿論これらの症状がひどい場合は入院して加療する必要があります。その他にも血液製剤である凝固第XⅢ因子を使用する場合もありますが、入院が必要な場合に限られると思います。
【予後】
一般的には良好ですが、腎症が重症な場合や消化器穿孔などがあるときは問題です。また、30%程度に再発があります。